病院・医療機関におけるストレスチェック体制構築の難しさ

2016-01-11

ナーシングビジネス2016年9月号にも、病院のストレスチェックについて詳しい記事を寄稿しております。そちらも併せてご覧いただければ幸いです。

病院・医療機関は意外に従業員数が多く、ストレスチェックの対象となる

病院は、入院患者様がおられる場合は24時間体制であり、看護師さん等も交代勤務であったり、その他のコメディカルや事務職員の方、パートの方もおられるので、従業員数が50人以上の病院というのは結構多く存在します。

病院の医師が産業医を兼任している場合がある

従業員数が50人以上であれば産業医を選任しなければならない訳ですが、その場合、その病院の医師を産業医として選任しているケースがあります。中には、病院長自身が産業医をしている場合もあります。

病院長が産業医を兼任するのは適切ではないことは、昨年10月に厚生労働省から通達(基安発1030第4号)が出されました(3月8日追記:2017年4月より、病院長等の管理者が産業医を兼任することは、省令で禁止される運びとなりました)。適切ではない理由としては、「労働者の健康管理よりも事業経営上の利益を優先する観点から、産業医としての職務が適切に遂行されないおそれも考えられる」などの理由が挙げられています。

この趣旨から考えると、診療科の部長等も経営者側になりますので、避けたほうが良いと思われます。(ストレスチェックとの関係では、人事権があるため実施者にはなれません。)

 

病院の産業医がストレスチェックにかかわる場合

「管理職ではないヒラの医師」が自分の所属する病院の産業医となり、ストレスチェックにもかかわることになった場合、その医師への心理的負担が大きいように思いますし、その他の従業員もあまりよい気がしないなど、問題点が多いように思われます。

なぜなら、その医師がストレスチェックの実施者・高ストレス者への面接担当である場合、

①    その産業医は、一緒に働く医師・看護師などの全ての従業員のストレスの状態をチェックし、誰がストレスが高いのかをすべて把握しなければならないが、守秘義務があるのでそれはすべて自分の心の内にしまい漏らすことがないよう気を付けながら、毎日を過ごさなければならない。

②    一緒に働く同僚・コメディカルから、「あの先生は、自分のストレス具合を知っているんだ」という目で見られるかも知れない。

③    そのような状況では、従業員が正直にストレスチェックに答えず、適切な職場改善につながらないかも知れない。

④    高ストレス者が医師面接を希望した場合、その人の悩み等を聴いて、受け止めつつ、面談後も同じ職場で一緒に働き続けなければならない。そして場合によっては事業者(病院長等)へ意見を述べなければならないが、医師としての大先輩である病院長に、職場を改善するよう意見するのは中々難しいかも知れない。一方、高ストレス者からすると、一緒に働く医師には職場の悩みを打ち明けにくい場合がある。

少し考えただけでも、上記のような問題点が予想されます。もし私が自分の働く病院で産業医に任命され、ストレスチェックにもかかわるよう命じられたら、まさにそれ自体が強度のストレスとなって病気になってしまいそうです。

 病院・医療機関においてはストレスチェック外部委託を検討すべき

そんなわけですので、私見になりますが、病院においてはストレスチェックを外部委託したほうが良いように思います。自分の所の医師に病院の産業医を兼任させている場合は、実施者業務、高ストレス者への医師面接も外部委託したほうが良いのではないかと思います。または、病院外部の医師に産業医をお任せし、その産業医にストレスチェックにかかわってもらうかでしょう。

弊社では医療機関における産業医やストレスチェック実施者・面接指導も受託実績がございますので、お気軽にお問い合わせください。

 

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