ついに判明!?衛生委員会構成の最少人数・最低人数

2016-09-06

ストレスチェックをきっかけに衛生委員会を見直す企業が増えた

こちらの記事にもストレスチェックにおける衛生委員会の重要性を記載しました。ストレスチェックにおいては衛生委員会での調査・審議を経ないと何も始まらないため、ストレスチェック導入をきっかけにして、多くの企業様において「衛生委員会をしっかり毎月開催しなくてはいけない。これを機会に、法令通り毎月実施していこう。」という意識が高まっています。

弊社の産業医サービスでは、そのような声にお応えし、衛生委員会の立ち上げから、毎月の委員会での情報提供まで支援させて頂いております。

そんななか、企業様から衛生委員会について以下の質問を受けることが大変多くなっています。

 

「衛生委員会のメンバーはどうすればよいか。何人以上必要なのか。ネットや本で調べたけど、諸説あって結局どれが本当かわからない。」

 

私が以前、専属産業医として勤務していた企業の衛生委員会は、オブザーバーも含めたら多い時には30人くらい出席者がいましたが、一方で従業員数50人くらいで人員もギリギリで回している小さな企業にしてみれば、衛生委員会にどれくらい人手を取られるのかは切実な問題でもあったりするため、最少人数を知りたいという要望が出てきます。

 

まず、法令を確認

衛生委員会の委員については、法律上、以下のように定められています。

 

労働安全衛生法18条

衛生委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第一号の者である委員は、一人とする。

  ① 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者(←いわゆる議長)

  ➁衛生管理者のうちから事業者が指名した者

  ③産業医のうちから事業者が指名した者

  ④当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者

①の委員以外の委員の半数については、過半数労働組合、過半数労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。
 

ネット上には諸説飛び交う

インターネットや本で、衛生委員会を開催するために必要な人数について調べると、最少人数は5人という説と、7人という説があり、各専門家の意見が一致していません。

 

7人説によると、➁~④各1人計3人を会社側の意思に基づきが指名し、それとバランスを取るために労働組合(又は過半数代表労働者。以下、労働組合等とします)推薦の人を3人入れ、3人+3人+議長で、計7人が最少人数としています。

 

5人説によると、➁、③の計2人が会社側の意思に基づき指名され、それとのバランスをとるため労働組合等推薦を2人入れ、2人+2人+議長で計5人必要としています。

あえて他の可能性についても考えてみる

なんとなく、5人説が説得力があるような気がします。しかし、そこで思考停止せず、さらにもう一歩進めて、他の可能性についても考えてみましょう。

どちらの説においても、産業医及び衛生管理者を会社側としてカウントし、労働者側としてはカウントできないことが前提となっていますが、本当にそうなのでしょうか?そのようなことは法令のどこにも書かれていないですし、私の知る限り通達もありません。

産業医については、専属産業医の場合を除いて日本企業の圧倒的多数において、会社の外部の医者から会社が選んできて契約するあくまで部外者的人間ですので、会社側が選んできた人間としてとして会社側にカウントされるのはわかるような気がします(労働組合が産業医を選んできたというのは、あまり聞いたことがありませんし、専属産業医だとしてもその企業の労働組合員である産業医というのも聞いたことがありません)。

一方、衛生管理者は、その企業の労働組合員である場合もありますが、絶対会社側にカウントしなければならないのでしょうか?実際私自身、その企業の労働組合活動をしている衛生管理者の方に会ったこともあります。
労働組合としても、組合員である衛生管理者を衛生委員会の構成メンバーにしたい場合もあると思われますが、そのような場合でも推薦できないとすれば理不尽のようにも思えます。

そこで、もし衛生管理者を労働組合等が委員として推薦することが可能であれば、最少人数は4人(議長、産業医(会社側)、衛生管理者(労働組合等推薦)、衛生の経験ある労働者(労働組合等推薦))でいけるのではないでしょうか?
(なお、この場合、会社側1名、労働者側2名となりますが、これは問題ありません。法令上の「半数」とは、労使同数という意味ではなく、労働者側が少なくとも半数含まれる必要があるという意味であり労働者側の方が多くても大丈夫だという通達があります(平成17年1月26日付 基安計発第0126002号))

 

さらにいうと、もし衛生管理者が④の「衛生に関する経験を有する労働者」を兼ねることができるとすれば、衛生委員会の最少人数は3人(議長、産業医(会社側)、衛生管理者(労働組合等推薦。④も兼ねる))でもOKとなる可能性も出てくるのではないでしょうか。
ただ、条文上、➁と④を別個に規定しているので、別々の人間を立てる必要があると考えるのが普通であり、この解釈は少し無理筋かもしれません。

 

自分だけで考えていても埒があかないので、労働基準監督署に問い合わせてみました。

 

労基署に電話で問い合せてみた

労基署「はい、○○中央労働基準監督署、安全衛生課です。」

 

山崎「衛生委員会の構成メンバーについてお聞きしたいのですが。」

 

労基署「はい、どのようなことでしょうか。」

 

山崎「安衛法18条2項において、2号の衛生管理者が4号の「衛生に関し経験を有する労働者」を兼ねることはできるのでしょうか?」

 

労基署「特に、兼ねてはいけないという規定はありませんので、兼ねることができます。」

 

山崎「では、衛生管理者が、労働組合や過半数代表労働者の推薦を得た場合、議長と産業医と労働組合推薦の衛生管理者の計3名で、衛生委員会を行っても良いということでしょうか。衛生委員会の最低人数は3人になるのですか?」

 

労基署「はい、そういうことになりますね。」

 

なんと、私の中で長年疑問であった衛生委員会の最少人数が、3名でもOKなことが判明しました。「3人なんてダメに決まってるじゃないですか」と労基署に言われると思っていましたので、これには少し驚きました。

 

ただ、注意が必要なのは、上記は労基署が書面で正式に回答したものではなく、電話相談窓口に出た労基署の方が口頭で回答して下さったものなので、この解釈が法的に100%正解かどうかはわかりません。

また、衛生委員会を開催する目的は、職場の労働衛生環境を改善することにあり、なるべく幅広い多くの部署から参加してもらい、意見を交換することが重要な点は忘れてはいけないように思います。最少人数が3人であるからと言って、3人にするのではなく、なるべく多くの労働者の意見を適切に吸い上げられる体制を構築しましょう

 

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