今後、日本の労働時間はどうなるのか?

2016-07-16

労働時間と働き方改革

先ほどの参院選では、自民、民進をはじめとした各党が、同一労働同一賃金の実現等を公約として挙げていました。

日本の正規雇用と非正規雇用の賃金格差は、日本独自の終身雇用を背景とした非常に根深い問題ですので、どこまで同一労働同一賃金が実現されるのかは現時点ではわかりませんが、議論は確実に深まっていくものと思われます。

また、参院選後、連日新聞でも「働き方改革」という文字を見かけます。

今後、労働人口が減少するのが確実な日本においては、女性・高齢者・(+外国人労働者?)の労働力を活かすことが必須になる訳ですが、現在の「終身雇用・正社員=長時間労働・全国転勤」のままでは人材活用は困難だからです(こちらの記事にもその辺りのことは書いています)。

働き方改革できるのは大企業だけ?

本日(7月16日)の日本経済新聞に、神戸製鋼所が19時以降の残業を禁止し、女性の離職率低下等に繋げていきたいと考えているという記事がありました。業務の効率化も併せて行い、実現していくとのことです。

 

大企業では、トップの決定・方針は確実に実行される傾向がありますので、おそらく神戸製鋼では19時以降の残業はかなり減るものと思われます。一方で、効率化するにも限界がありますので、夜に残業できないのであれば朝にやるしかなく、始業時間前の時間外労働が増えるかもしれません。
そうだとしても、伊藤忠商事の取り組み等でも成果が出ている通り、朝方勤務の方が全体としては残業削減効果があると言われていますので、良い取り組みだと思います。

 

一方、日本の労働者の大部分が中小企業に勤めているわけですが、基本的に仕事の発注者側である大企業が行っている取り組みを、下請側で常に納期等に追われているような中小企業が行えるとも限りません。仮に19時以降の残業を一切禁止とすると、破綻しかねない中小企業も山のように存在するものと思われます。

 

若者の意識の変化

大企業とは全く同じことはできないとしても、労働時間に関する問題を解決していこうとする姿勢は、中小企業にも必要であると思います。なぜなら、若者の「仕事とプライベートの調和」に対する意識は年々上がっているからです。

 

先週発表された日本生産性本部が実施した今年の新入社員1286人に対する意識調査でも、「仕事は人並みで十分」との回答が、過去最高の58.3%となっています。「デートか残業か」では、残業が76.9%、デートが22.6%と、ここ数年はデート派が増えているとのことです。

 

私が産業医として若い社員の方と面談している中でも、「この企業は残業多すぎてブラックですよ」とか「自分の身を守るために、労働時間の証拠を残そうと思いますよ」等と冗談めかして自虐的に仰るケースによく遭遇します。

 

労働時間を改善して行こうという姿勢を持たないと、労使トラブルに発展するリスクもありますし、また、今後労働人口が減少する中で若者に敬遠され、人材確保に非常に苦労することになってしまいます。

中小企業でもこれだけは必須!

産業医兼特定社労士の立場から、労働時間に関して、中小企業であってもこれだけは気を付けたい(=労使トラブルに繋がり易く、労働者側からしても不満・疑念を持ちやすい)ものの代表として、以下の3つを挙げてみます。

 

労働時間の管理」、「みなし労働時間」、「固定残業代」

 

(次回記事へ続く)

 

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