【ストレスチェック】面接を希望しない高ストレス者にどう対応するか

2016-03-13

ストレスチェックを実施するにあたり、企業様から色々とご相談を受けることが増えていますが、その中でも多いのが「医師面接を希望せず、自ら手を上げない高ストレス者にどのように対応するか」というものです。

(申し出自体が少ない場合の対応についてはこちらの記事をご覧ください。)

従業員の健康管理をしっかり行っていこうと考えておられる企業様ほど、そのように悩まれる傾向が強いように思います。というのも、ストレスチェック制度では、労働者のプライバシーが厚く保護されており、高ストレス者に該当したとしても労働者本人が自ら医師面接を希望し手を挙げない限り(又は会社への検査結果提供に同意しない限り)、会社側は誰が高ストレス者なのかを把握できないからです。 

高ストレス者のうち、自ら手を挙げて面談希望するのは、企業にもよりますが高ストレス者の10%程度と言われていますので、高ストレス者の残り90%程は場合によっては「高ストレス状態だが、会社側からアプローチできず放置」となりかねないことを企業として危惧されています。

ストレスチェック制度の主目的は一次予防・職場環境改善であり、「高ストレス者個人へアプローチしていく」のは主目的ではないためそれに拘泥する必要はないと思いますが、そうは言ってもやはり、安全配慮義務上、高ストレス者にどう対応していくのかを無視する訳にもいきません。

 それに対する対応としては以下のような方法が考えられます。

 

社内の既存の相談窓口を利用してもらう

社内に産業保健スタッフ(産業医、保健師、看護師、カウンセラー等)が既にいる場合は、法定のストレスチェック制度における医師面接とは別にそれらの産業保健スタッフに直接相談できることを、ストレスチェック結果返却時の紙などに記載し労働者に周知します。

この相談は、ストレスチェック制度の枠内の医師面接とは異なり、自分の検査結果を会社に提供することには繋がらないので、より安心して相談できる点を強調するのが良いかと思います。

 

社外に相談窓口を設置する

産業保健スタッフが事業場内にいない、又はいたとしてもあまり機能していない場合もあります。特に、嘱託産業医の場合、月に1回短時間しか職場訪問しないため、労働者が産業医に対し気楽に健康相談をできる体制にはなっていない企業様も多いように思います。「産業医に相談する=何か特別な事情がある」という目で周囲からも見られがちで、相談しにくいというのも良く聞きます(本来、そのような状況は望ましくありませんが)。

その場合には、EAP(Employee Assistance Program)サービスを利用し、労働者が電話等も含め、いつでも気軽に相談できる社外体制を整えておくのも一つの方法です。今回のストレスチェックを機に、EAPサービスを導入したという企業様の話はよく聞きます。

ただし、EAPといっても様々な会社が運営しており、サービスの質は様々です。質の良いEAP機関を選択するには、労働者健康福祉機構が認定する「メンタルヘルス登録相談機関」かどうかも一つの目安になりますので参考にして下さい。

 

実施者でもある産業医がフォローする

産業医が実施者であれば、その事業場で誰が高ストレス者かを把握することができます。ですので、ストレスチェック以外での場面、例えば過重労働面談や健診後のフォロー面談等を活用して、「医師面接を希望しない高ストレス者」へのフォローを行うこともできます。

しかし、ストレスチェックに関わることを嫌い、産業医が実施者になってくれないケースも多く聞きますが、そのような場合には上記のようなフォローもできません。

産業医が実施者をしないことは、断ってきた産業医にとっては訴訟リスク・業務負担等が減るので喜ばしい(?)ことでしょうが、そのツケを負うのは企業です。

厚生労働省も産業医が実施者になることが望ましいとしています。企業としても産業医の先生を実施者に据えることが、リスクマネジメントの観点等からも重要であると思われます。

 

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