労務担当者なら知っておきたい!ストレスチェック制度に関する規程・書式例の問題点

2015-11-08

もうすぐ12月になり,ストレスチェック制度が実際に開始されますが,皆様の会社では準備は万端でしょうか?

社内体制を整える上では,衛生委員会で審議すべき規程・書式などが多数存在します。それらを一から作るのは大変ですので,厚労省は「ストレスチェック制度実施規程(例)」等を公表してくれています。さすがこの辺りは「国民本位の公共サービス」を提供してくれる厚労省ですが,逆に丁寧すぎて,そのまま導入すると場合によっては企業にとって困った事態になりかねないことはご存知でしょうか?その代表的なものを2つ紹介します。

①「ストレスチェック制度実施規程(例)」(ひな形)に関して

厚労省も文頭で強調する通り,この規定はあくまで例であり,企業の実態に応じて修正が必要です。例えば,規程例の2条ではストレスチェックの対象者となる労働者を定めていますが,「パート・アルバイト」「派遣労働者」も対象に含めています。これらの人は,本来であればストレスチェックの対象外になる可能性もある人々(詳しくは厚労省ストレスチェックQ&A参照)です。
コスト削減等のためこれらの人々をストレスチェック対象者に入れないでおこうと考える企業が,何も考えず厚労省の規定例をそのまま取り入れると矛盾が生じる状態になります。

 

②実施マニュアルの医師意見書に関して

厚労省ストレスチェック制度実施マニュアルの84ページには,高ストレス者に対する面接を行った医師が企業に意見をする際の意見書のフォーマットが載っています。その中に『ストレスと業務の関連性』を記入する欄があります。
事前に上司や人事労務担当者から面接医師に職場の事情を詳しく伝えていれば別ですが,正直申し上げて,この意見書は労働者側からの話をメインに聞いて作成するものです。労働者側の一方的な話に基づいて,医師から「ストレスと業務の関連性が強く疑われる」「就業場所の変更が必要」との意見書が出てきたら,企業側としては困ってしまいませんか?
『ストレスと業務の関連性』などというものは,労使の両方から事情を詳細に聴取して,客観的な立場にある人間(労災保険の審査官等)が判断すべきものなのです。ですので,『ストレスと業務の関連性』などは面接医師が軽々しく判定して意見書という正式文書に残すべき事項ではないと考え,弊社の顧問先ではこの意見書のフォーマットは利用しません。

12月2日追記)厚労省が新たに発表した医師意見書からは,「ストレスと業務の関連性」の項は削除されました。厚労省もさすがにまずいと気付いたのでしょう。

 

厚労省は非常に丁寧な仕事をしてくれていますが,何も考えずに規程例等をそのまま取り入れるのは危険です。産業医や顧問弁護士・社労士の意見なども参考にしながら,御社の実態に合うよう規程を修正しましょう。

 

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