ストレスチェックで、面談の希望・申し出が少ない時どうするか

2016-04-12

新年度になりましたが、皆様の企業においてもストレスチェックの導入は進んでいますでしょうか?

 先月、保健同人社が公表した調査結果によると、アンケートをとった今年の2月15日の時点で、ストレスチェックの準備状況について「ほぼ完了している」と回答した企業担当者は5%未満であり、一方、6割を超える担当者が「検討中/情報収集中」と回答したとのことです。

 おそらく多くの企業は、外部の検査機関にストレスチェックの実施を委託する形を取られることになるかと思いますが、どのような機関を選ぶかは非常に重要であると以前よりホームページ等を通じてお伝えしてきましたが、最近その思いがますます強くなっています。

 なぜなら、想定されていたことですが、「高ストレス者が医師面接を希望して、会社に申し出る率(以下、申出率と言います)が、非常に低い」ケースが頻発しているからです。

場合によっては申出率が受検者全体の0.5%以下、場合によっては1000人受検して高ストレス者面接はゼロ人というケースも良く見られます。

2017年1月20日追記)
昨日、宮崎労働局による県内企業のストレスチェック結果をまとめた資料が新聞報道されていましたが、それによると宮崎県内のストレスチェック受検者3万7129人のうち、医師面接を受けたのは290人であり、わずか0.8%となっています。

 

申出率が低いと、何が問題なのか

厚生労働省が言っている、ストレスチェックの目的を見てみてみましょう。

 

『定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個々の労働者のストレスを低減させるとともに、検査結果を集団ごとに集計・分析し、職場におけるストレス要因を評価し、職場環境の改善につなげることで、ストレスの要因そのものを低減するよう努めることを事業者に求めるものである。さらにその中で、ストレスの高い者を早期に発見し、医師による面接指導につなげることで、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することを目的としている。』

(ストレスチェック指針より)

 

つまり、厚生労働省が、ストレスチェック制度において効果があると言っているのは、主に以下の3つです。

 

➀結果を本人に返し、ストレスを自覚させる

➁医師面接

➂集団分析・職場改善

 

努力義務である➂をしていない企業において、申出率が低く➁もできないとなると、残るは➀のみになります。

しかし、①の効果というのは非常に限定的です。「あなたは点数が高かったですよ」という結果を本人に単純に返却するだけで、メンタル不調防止の効果が生じるとは考えにくいことは、医療の素人でもわかることかと思います(セルフケアのアドバイスを付ける等によって多少は効果があるのかも知れませんが)。

 

つまり、集団分析・職場改善をしていない企業において、さらに、申出率も低いとなると、ストレスチェックの効果はほとんど望めず、まさに「毎年費用だけかかって、ほとんど効果がない。かといって、法的義務だから止めるわけにもいかない。」という最悪の状態に繋がってしまうのです。

 

申出率を上げるために、どうするか

まず、高ストレス者が面接を申し出ない理由について考えてみましょう。

会社に自分の結果が伝わるのが嫌

過去に産業医面談をしても意味がなかった

どうせ何も変わらない

他にも色々あるかと思いますが、このようなことが考えられるかと思います。

 

➀、➂については労使間の信頼関係に問題があると言えます。ストレスチェック医師面接の結果によって不利に扱うことはないこと、会社としても働きやすい良い職場環境作りに取り組んで行きたいこと等を労働者に伝え、信頼関係を構築していくことが重要になります。

 

一方、➁については産業医にも責任があります。過去に産業医の過重労働面談を受けたことがある人が、「わざわざ産業医のところに行ったのに、やる気のない適当な産業医で、一瞬で面談が終わったよ。面談を受けても無駄。」と不満を述べられているケースはよく耳にします。そのような状況では、ストレスチェックの面接も受けようとは思わないでしょう。

産業医が、日頃から、労働者の方々に満足して頂ける産業医活動・面談をしているかどうかが重要になってきます。

 

そんなときこそ、集団分析・職場改善が重要

しかし、労使間の信頼であったり、産業医への信頼であったりは、一朝一夕で築けるものではなく、時間がかかると思われます。 

そこで、「ストレスチェックをやるからには効果的なものにする」ためには

➀集団分析・職場改善をする

➁ストレスチェックの結果を受け、社員が相談しやすい相談窓口を設置する

この2つが非常に重要になってきます。

 

企業がストレスチェックの外部委託先を選定する際には、この2つをどれほど充実して行うことができるかをポイントにすべきと考えます。そしてこれこそが、ストレスチェックを効果のあるものにするための重要ポイントなのです。

 

現在、ストレスチェック受託業者はビジネスチェンスとばかりに乱立傾向にあり、まさに玉石混合状態です。このビジネスチャンスに新規参入し、ストレスチェックの検査の部分のみを安価で行う会社もあれば、ずっと以前から職場改善に取り組み豊富な経験を蓄積し、優秀なカウンセラーも確保して外部相談窓口を用意できる優良な企業まで様々です。

単純に価格が安いだけで選ぶと、ストレスチェックをしたものの、何ら効果が生じない状態となってしまうので注意して下さい。

 

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