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産業医にストレスチェックを断られた!~完全対応の弊社までご相談下さい~

2015-12-16

はじめに:
弊社のストレスチェックに関するサービス料金等については、こちらをご覧ください。

弊社では、精神科専門医であり、豊富な産業医経験を有する医師が、ストレスチェック実施代表者・高ストレス者医師面接を担当させて頂いております。

一般ビジネス誌でストレスチェックの特集

週間東洋経済の12月19日号は「全ビジネスマンを巻き込む大騒動。ストレスチェックがやってきた!」のタイトルでストレスチェックの特集を組んでいます。早速購入し拝読しましたが,ストレスチェック制度について,一部情報が古い点(面接医師の意見書等)もありますがおおむね中立的・客観的に事実をとらえ,記者の考察・問題提起も納得できるものであり,非常に良い内容だと感じました。

記者の方は,おそらく始めは産業精神保健分野の知識はそれほどなかったものと思いますが,ここまで丁寧に取材・勉強をされこの内容の記事を書かれたのであれば,相当すごいことだと感心しました。

 

ストレスチェックを産業医が断るケースが相次ぐ

雑誌の中では,『責任は増すばかり。産業医の実像』という記事がありますが,その内容も非常に適確に事実をとらえ問題提起をされています。特に,今年の5~6月に日本医師会が実施した産業医に関するアンケート調査の結果もしっかり引用しているところは,さすがです。

この記事は, 『「えっ,先生がやってくれるんじゃないの?」…,人事・総務担当者の愕然とした声が上がっている。』の一文から始まっています。ストレスチェックに関する仕事を,既存の産業医の先生が断るケースが多発しているというものです。

弊社には、ありがたいことに企業様からの産業医選任に関するお問い合わせを多数頂いていますが,そのほとんどが「ストレスチェックに対応できる精神科の産業医を探している」「今いる先生に断られてしまった」というご相談ですので,この記事の内容は本当です。

 

ストレスチェックの関与を産業医が断る理由~訴訟リスクと厚生労働省の立場

産業医がストレスチェックを断る主な理由は,こちらの記事こちらの記事で以前から私が主張している通り,「産業医に訴訟リスクが生じる」+「厚生労働省自体が,産業医がストレスチェックに関わることを義務化せず,「関わることが望ましい」程度に留めている」の2点です。この状況では,以下の通り,産業医が断ってくるのもある意味仕方ありません。

理由① 産業医のほとんどは副業であり,リスクは負いたがらない

医師会のアンケートのデータによると,産業医が実際に産業医活動に当てている時間は「1月あたり5時間未満」が66%を占めます。ほとんどの産業医の先生は,病院勤務や自分のクリニックの空き時間に副業として活動しているのです。空き時間に実際に活動してくれればまだ良い方で,実際は法律で決められた月1回以上の企業訪問も実施せず,健康診断の結果さえ目を通さず,名義だけ貸して月数万円の報酬をもらうケースも散見されます。私のように産業医を本業にして月に150時間以上産業医活動をしているような医者は圧倒的に少数派です。

このように,月に数時間だけ活動し(最悪,名義貸し)副業的にやっている場合には,ストレスチェックの責任を負わされたらたまらないと考えて,ストレスチェックに関わることを拒否しても何ら不思議ではありません。ストレスチェックに関わることは義務ではないと厚労省もわざわざ言ってくれているのですから,むしろ断ることがある意味合理的判断だと,私がその先生の立場でも考えるかもしれません。
雑誌にも書かれている通り,「副業で,訴訟リスクもないから比較的安価な報酬で今までやってきた。ストレスチェックをやると割に合わない。」「これを機会に,副業でやってる産業医の仕事は辞めよう」と考える産業医も一部には存在するのです。

2016年7月20日追記)
そして実際に、ストレスチェックに関連してではありませんが、産業医の就業判定に関して、産業医自身が労働者から訴えられる事件が発生しました(こちらの記事をご参照下さい。)

理由②精神科が専門の産業医は少ない

医師会のアンケートによると産業医の中で精神科・心療内科を専門領域にしているのはわずか5%です。その5%の中で,さらに産業保健に関しても専門性を持つ(産業衛生学会の専門医や労働衛生コンサルタント)となると,おそらく1%をゆうに切ると思います。

厚労省は,高ストレス者への医師面接をするには精神科の専門性は不要と言い,面接マニュアルも出してくれていますが,こちらの記事にも記載しているとおり,実質的にはかなり難しいのではないかと個人的には思います。

仮に『膝のチェック』なるものが法制化されて,膝が痛い人の話を聞いて病院受診が必要かどうか判断しろ,見逃したら訴えられるリスクがあるとなると,精神科医であり整形外科医ではない私は,かなり嫌であまり自信がないですから(適切な例えなのか判りませんが…。)

厚労省が何と言おうとも、「専門じゃないから難しそう→自信が無い→自信が無いことをやって,訴訟リスクに繋がるのは嫌」と産業医の先生方の多くが感じられているからこそ,ストレスチェックへの関与を断るケースが多発しているのでしょう。
この不安を完全に解消するには,「産業医の無重過失は免責」等と立法化するか(←ほとんどありえないですが),実際にストレスチェック関連で産業医が訴えられるも「産業医はそこまで責任を負わない」と最高裁が判示するか,なんらかの症状がある人は産業医の責任を回避するために全て精神科病院・クリニックに紹介する(→その結果どのような事態が生じるかは,また機会があれば書こうと思います。)しかないように思います。

 

では,企業はどう対応すべきか?

そんな状況のなか,企業はどうすれば良いのか,私が考える方法を3つほどご紹介します。 

①実施者や医師面接を外部機関に委託する

ストレスチェックを外部に委託する企業がほとんどだと思いますので,それとセットで医師面接も外部機関に頼む方法です。しかし,その方法は個人的には以下の理由であまりおすすめしません。

こちらの記事にも書いていますが,会社へ自分の検査結果を開示してまで医師面接を希望する高ストレス者とはどのような人になるのかを想像して下さい。企業によって異なるので一概には言えませんが,

①うつ症状等が既に出ていて医師に相談したいと考えている人
②医師面接を通じて職場環境改善について会社側に何らかの要望を伝えたい人 

の2者が含まれるのは間違いありません。過重労働面談とは違うのです。過重労働面談(本人申出関係なく一律に実施している企業)では,残業を80時間しても元気で何の問題のない人も多く含まれますが,ストレスチェックの医師面接に上がってくる人は,高確率で背景に何かがあるのです。

この人たちへ医師面接が1回で済むでしょうか?

症状のある人へは(病院へ紹介して治療を受けさせたとしても)1か月後くらいには病状変化の確認のため再度社内で医師面談を組むのが普通です。1回だけ面接してそのまま放置し病状が悪化すれば,明らかに安全配慮義務違反になるでしょう。

つまり,継続的なフォローが必須となりますが,外部機関が手配する医師面接は通常1回のみであり,継続的にフォローするのは困難です。だからこそ外部に委託するのではなく,継続的にフォローできる産業医・顧問医が必要になります。

また,厚生労働省が「産業医等がストレスチェック・面接を行うのが望ましいが,外部機関に委託もできる」としている理由は,名義貸し等が横行している産業医業界において,ストレスチェックに産業医が関わることを義務化すると,制度自体が破たんしてしまうという政策的判断によるものであり,従業員への安全配慮義務をしっかり履行したいと考えている企業にとっては,ストレスチェック・面接を社内の産業医・精神科顧問医等を利用して完結させるに越したことはないのは自明です。

②精神科医を顧問医のような形で雇う

そこで,今いる産業医の先生がストレスチェックへの関与を拒否した場合は,産業医に加えて精神科医を顧問医として雇いストレスチェックと医師面接を行わせる方法も考えられます。

個人的には次の③のようにストレスチェックにも対応できる産業医に変更すれば全て解決する話ではないかと思いますが,現在いる先生には今までお世話になっているので契約解除しにくいとか,内科の先生を生活習慣病対策等で置いておきたい等の理由もあろうかと思いますので,費用面で余裕があるのであれば,精神科顧問医を産業医に上乗せして雇うのも良い選択肢だと思います。

 

③産業医を変える

ストレスチェックに対応できる産業医へ変更すれば,外部機関に委託せずとも産業医自身が高ストレス者への面談ができます。しかも,職場のことを良く知り,上司や労務担当者と連携できる産業医であれば,より適切な意見を企業に提供することができるでしょう。
また,産業医として月に1回以上企業を継続的に訪問する訳ですから,高ストレス者へのフォローも確実に実施でき安全配慮義務を果たすことも可能になります。メンタルヘルスに強い産業医であれば,ストレスチェック以外で生じたメンタル不調者への対応もより適切に行うことができます。

ただ問題点は,そのような産業医をいかに見つけるかです。精神科が専門で,かつ産業保健にも精通している産業医は全国的にも非常に稀少だからです。

 

産業医から断られた場合でも,断られるまでは行かないがあまり乗り気でない場合も,ストレスチェックについてお困りの企業様は、全国対応可能な弊社サービスのご利用をぜひ一度ご検討下さい。

 

【雑感】ある社労士の問題ブログに関して

2015-12-08

とある社労士の問題ブログ

ご存知の方も多いかと思いますが,現在ツイッター等のSNSで「ストレスチェック」のワードで検索すると半分くらいが,とある社労士のブログにおける問題発言に関する投稿となってしまっています。具体的には,「ストレスチェックをうつ病社員のあぶりだしに使え」等と発言していました。批判が集中したためか,現在そのブログは閉鎖されています。

 そもそも,ストレスチェックをあぶり出しに使うことは法律上不可能であり,こちらの記事にあるとおり労働者のプライバシーは厳重に保護されます。仮にあぶり出しに使うとすると,産業医や外部業者が企業経営者と結託して個人情報を漏らすしかありません。産業医が漏らすことはまずないでしょう。なぜなら,刑事罰をくらって場合によっては医師免許停止等の行政処分を受けるリスクを背負ってまで,企業側に個人情報を漏洩させるインセンティブがないからです。

また,企業側としても,このような情報を収集することはかなりのリスク(ストレスチェック制度に対する反社会的挑戦とも言えるので,もしそれが発覚すると行政からも非常に強く処分されるでしょうし,マスコミ報道も必至)を伴いますので,まともな経営者であれば情報収集しようとは思わないでしょう。

 

その社労士のブログの存在を私は1年程前から知っていましたが,あまりに内容が不適切なため,いつか問題になるだろうと予想していました。今回,ストレスチェックが義務化され,社会的に労働者のメンタルヘルスに関する関心が高まる中,ついに大きく露呈してしまったかといった印象です。

 

社労士の仕事内容,ストレスチェックを誤解しないで欲しい

私は自分自身が精神科産業医+特定社会保険労務士であり,社労士の方とも多く接して来ましたが,この問題社労士のような考えを持つ人には出会ったことはありません。皆さん真摯に,「労働環境を改善して,労働者の幸福,そして会社の発展に貢献する」ことを目指して社労士業務をされていますので,今回の事件で,社労士全体が世間から悪者のように見られてしまうのではないかと心配しています。

 

労使関係が複雑化・多様化する中,社会保険労務士の担う役割は拡大しています。それに伴い高い倫理観が求められ,社労士会は倫理研修などを通してその高揚に努めているさなか,このような事件が発生したことは残念でなりません。 また,「やはりストレスチェックの結果は会社にダダ漏れなんだ」と労働者が勘違いしてしまい,正直に質問に答えることをせず,職場改善にもつながらないという危惧が生じてしまったことで,この問題社労士の罪は非常に大きいと思います。

弊社の立場・活動理念

企業と社労士・産業医の関係性に社会から疑念が生じている今,ここであらためて,弊社が産業医活動をしていく上での理念を記します。

病気が発生しにくい職場環境作り

まず何より,うつ病社員が生じにくい職場環境作りが大切であると考えています。そのような環境というのは,「社員間や,上司・部下の間のコミュニケーションが良好」,「公平な人事評価」,「ハラスメントのない環境」等が代表的ですが,これはまさに,病気うんぬん以前に『社員が自分自身を活かし,お互いに協力しあい,経営面からみても生産性・業績が向上する』環境であると言えます。労使が信頼をベースに一体となって、企業が発展し、そしてそこで働く労働者も幸せになることができれば一番良いのではないかと弊社は考えております。

弊社は,このような考えに共感して頂ける企業様とお仕事をさせて頂いております。この世の中には,労働者を使い捨ての駒としか見ず,潰れれば解雇すれば良いと考える企業もあるようですが,そのような企業様からのお仕事はお断りしています(そのような企業は,そもそも,しっかりした産業医を雇おうとの発想がないでしょうから,弊社への依頼自体がありませんが…)。

ただ,このような職場環境を作ることは「言うは易し行うが難し」であり,人事労務担当者の永遠の課題といっても良いかも知れません。当然,産業医のみで行えるような簡単な事ではありませんので,企業の人事労務戦略の一部・一環として,弊社の産業医サービスを利用して頂ければと考えております。

 

うつ病等になってしまった方への個別対応

うつ病になってしまった方への個別対応としては,まずはその原因が企業側にあるのかどうかを弊社では重視しています。 上記の職場環境の改善とは違い,ここは医学的知識・評価,労災に関する知識が求められる部分ですので,精神科医かつ特定社労士である弊社産業医がお役に立てることも多いと考えております。

労災認定基準を満たすような労働(時間外が月200時間であったり,ひどいパワハラを受けた等)が原因でうつ病になってしまった場合は,企業はその方の病気の回復のために,できるだけ支援していくことが公平・重要であると考えます。

一方で,プライベート等、業務起因性がない状態でうつ病になり,病気ゆえに仕事ができなくなってしまった方に対しては,精神科医・産業医として病状を客観的・中立的に評価しつつ,本人・同僚・会社の3者のバランスをとりながら,また労働契約(就業規則)や法・判例法理を意識して,適切な落としどころ・解決策を提案するように心がけています。

【ブログ】人事労務イベント”HRカンファレンス”に行ってきました!

2015-11-18

弊社サービスのご利用を検討頂いている企業様にプレゼン・ヒアリングを行うために東京出張した帰りに,大手町で開催されているHRカンファレンス2015-秋-に参加してきました。

 弊社の拠点は大阪ですが,東京はこのようなカンファレンス・セミナー・勉強会が圧倒的に多く開催されており,本当に羨ましい限りです。新しい情報・文化の中心は圧倒的に東京なんだなぁと感じます。今週末は大阪府知事・市長のダブル選挙ですが,どのような結果になるにしろ大阪出身の私としては,東京に負けないくらい大阪も発展して欲しいと思います。

ただ,東京駅には「そうだ京都,行こう。」の京都の美しい紅葉のポスターがたくさん貼られており,関東の人の京都への憧れを垣間見るようで,少し誇らしかったです。(私は中高の6年間は京都で過ごしましたので,京都に対して若干の地元感を勝手に感じています。京都の人には,それくらいで感じるなと怒られそうですが…)

ストレスチェック制度の義務化への注目度

さて,HRカンファレンスは,その名の通りHR(human resource management:人事労務管理)に携わる人事労務担当者の方が集まるカンファレンスですが,ストレスチェックに関する講演が4つも開催されており,注目度の高さが窺えました。

また,キャリアや組織活性化についての貴重な講演を聴けて,大変勉強になりました。

その中での気付きをいくつかご紹介します。

 

①管理職のプレイングマネージャー化とメンタルヘルス不調

ある調査によると,「課長職のうち個人の業績目標を持つ人の割合」つまり,プレイングマネージャーの割合が,1985年には20%未満であったのに,現在では90%以上だそうです。管理職がプレイングマネージャー化すると,部下への目配りが減り,また部下自身も「課長は忙しそうだからなあ」と感じて相談しにくい状況が出来上がります。それが,メンタル不調者が増加する一因にもなっていると考えられます。

それを防ぐには,難しいかもしれませんが上司が部下に積極的にコミュニケーションをとる,さらには今回のストレスチェック制度の組織分析をきっかけにして,上司・部下一緒になって職場改善の方法を検討する等が考えられます。組織改善のキーマンは管理職です。

 

②職場改善は離職率低下につながる

ストレスチェックで組織診断をしたのみでは,当たり前ですが何ら効果はありません。診断結果に基づいて,実際に改善するための方策に着手して初めて効果が生じるのです。

ある企業において,次世代リーダーに「職場改善」,「部下との関係性構築力」を上げるための研修(単発ではなく,複数回の本格的なもの)を行ったところ,離職率が20%から10%に改善されたというデータがありました。

今後の少子高齢化で労働人口が減少する時代に,優秀な人材を確保することは企業にとって何より重要であり,採用したのに数年で辞められると人材育成にかけた費用がパーになってしまいます。今回のストレスチェックを「義務だから仕方なくやる」のではなく,「人材を定着させるために,働きやすい職場を構築するためのきっかけにする」という意識で捉えた方が,企業にとってストレスチェックをより有益に活かすことができると思われます。

 

今後も東京での仕事を増やしていき,どんどん勉強会にも参加して仕事に役立つ知識を増やしていきたいと思います。是非この記事をご覧になった東京の企業様は,弊社にお仕事を下さい!お待ちしております!

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