違法状態は是正しましょう!健康診断で最低限やるべき企業の義務

2016-03-28

もうすぐ4月、健康診断のシーズンです。

 
産業医活動をしていて感じるのは、労働安全衛生法に定められた健診に関する法定義務(企業として必ず行わなければならない)ができていない企業もしばしば存在するということです。そのような企業の担当者様の話を聞くと、「それが義務だなんて知らなかった」というケースと、「産業医の先生がやってくれないから、つい放置していました」というケースがあります。

労働基準監督署の立ち入り監査が入り、是正勧告を受けて初めて気付く企業もあるようです。

いずれにせよ、法律で義務として定められたことをしっかり行わなければ、労働者の健康を守る企業責任を果たせないのは当然のこと、万一軽井沢バス事故のように健診を適切に行っていない労働者が事故を起こした場合等には社会的に強く非難されてしまうことになります。
少なくとも法定の義務については、確実に実施するようにしましょう。

 

健診に関する義務を以下にまとめてみます。

 

まず、健診の種類を理解し適切なタイミングで行う

健診の種類及び頻度については安衛法に定められていますので、誰が対象者なのかをしっかり確定し、確実に実施するようにしましょう。こちらの記事にも書いてある通り、健診を行うのは企業の義務ですから、「従業員が受けてくれない」からといって簡単に放置してはいけません。何度も受けるように勧奨して下さい。

主な健診の種類は以下の通りです。

・雇入れ時の健康診断(安衛則43条)

・定期健康診断(安衛則44条)

・特定業務従事者の健康診断(安衛則45条)

・海外派遣労働者の健康診断(安衛則45条の2)

・特殊健康診断(安衛法66条2項)

その他、検便による健康診断や歯科医師による健康診断等もあります。

 

医師からの意見聴取(安衛法66条の4、安衛則51条の2)

健診の結果、異常所見がある場合には、健康保持のために必要な措置に関して健診日から3か月以内に、会社は医師から意見聴取しなければなりません。

 これが出来ていない企業は、相当数存在するように思います。特に、名義貸し産業医の場合、労基署へ提出する報告書には会社にお願いされてさすがにハンコだけは押すものの、個々の労働者の結果まで目を通していない場合がありますが、これは違法です。

またこの義務は、50人未満の従業員数の拠点(産業医がいない拠点)でも同様ですので、本社の産業医に健診結果をチェックしてもらうか、地域産業保健センターに結果を持ち込んでチェックしてもらう等の対応が必要になるので注意して下さい。 

この法的義務を行っておらず、労働者に健康障害が生じた場合、企業責任を問われかねませんので、医師の意見聴取は確実に行うようにしましょう。 

弊社では、本社(またはそれに準ずる事業場)で産業医契約を頂いた場合は、50人未満の地方の事業場の健診チェックも料金内で行っておりますので、是非ご検討ください。

健診実施後の事後措置(安衛法66条の5)

聴取した医師の意見を勘案して、必要に応じ、作業の転換や労働時間の短縮等の就業上の措置を講ずる義務があります。

 

労働者への結果通知(安衛法66条の6)

健診結果を労働者に返却します。

特殊健康診断の結果については労働者に返却していない企業もあるようですが、特殊健診についても本条により返却義務がありますので、注意してください。

 

医師又は保健師による保健指導(努力義務、安衛法66条の7)

一般健康診断の有所見者に対し、生活改善、運動・食事指導等の保健指導を医師又は保健師が行います。

ただ、こちらは努力義務になりますので、特に嘱託産業医で活動時間が限られている場合等は、他の業務(職場巡視、衛生委員会参加、過重労働面談等)との兼ね合いを見ながら行うことになります。

 

 

以上が健康診断で企業がやらねばならない法的義務の代表例です(その他、結果の保存等もあります)。

特に「医師からの意見聴取」については、実施していない企業も多くあるように思われますので、確実に行うようにしましょう。

そもそも健診結果を見るように会社から産業医に依頼していない場合は、チェックしてもらうように依頼しましょう。
それが産業医の職務であり、企業は報酬を支払っているのですから、なんら遠慮する必要はありません。

 

ページの上部へ戻る

Copyright(c) 2015 アセッサ産業医パートナーズ株式会社 All Rights Reserved.