産業医と会社の選任義務について
従業員数50人以上の事業場について
労働安全衛生法により,産業医を選任する義務が課されています。それにも関わらず,産業医を選任していない,選任していても職場巡視をさせていないことは違法行為であり,労基署による是正勧告の対象になります。労基署の是正勧告に従わない,無視し続けるなど悪質な場合は最悪書類送検される可能性もありますので注意して下さい。
従業員数50人未満の事業場について
日本の事業場の95%以上は従業員数50人未満であり,圧倒的多数の事業場がこちらに該当します。
産業医の選任義務はありませんが,『従業員の健康に配慮する責任』まで免除されている訳ではなく,50人以上の事業場の場合と同様の責任を会社は負っています。
健康問題に関する労働トラブルの傾向を見ていると,むしろ小規模の事業場の方がトラブルになっているケースが多いように感じます。おそらくその理由としては,産業医もおらず,医学的問題を相談できる相手もいないため,担当者の独断で対応・放置し,後になってトラブルに発展してしまうのも一因と思われます。
例えば,健康診断を受けさせても結果をチェックせずそのまま放置していたり,メンタル不調者が会社に体調不良を申し出ているのに何ら配慮せず負荷をかけ続け,結局自殺まで至ってしまって初めて対応のまずさに気付くケースなどです。
大企業であっても,地方の事業場で50人を切っている小規模な拠点は産業保健活動がほとんどされていないケースも見受けられますが,上記のように自殺など大きな問題が生じた後では,ご遺族への補償・マスコミ報道など取り返しがつかないことになりかねません(そもそも失われた命は返ってきません)。
弊社では,50人未満の事業場へは「顧問医サービス」を提供しております。いつでも社員の健康問題に関する相談を電話・メールでお受けし,必要であれば実際に従業員面談を行うこともできるサービスです。
また、どこか一つの拠点(支店等)で産業医契約を頂ければ,その他の拠点の従業員の方への対応も可能です。(よくあるご質問の4番「スポット面談サービスは,全ての支店の全社員が利用できるのですか?」をご参照下さい。))
小規模事業場であっても,従業員の健康問題に関するコンプライアンスを強化したい企業様は,是非一度ご検討下さい。