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【コラム】ストレスチェックを受けた労働者の困惑

2015-11-21

ストレスチェック制度の開始まであと10日ほどとなりました。立法化される前からストレスチェックを実施している企業も存在しますが,今回初めて実施する企業がほとんどだと思います。ストレスチェックを初めて受ける労働者も多い訳ですが,いざチェックを受けると戸惑う労働者が多発するのではないかと予想しています。 

いきなりストレスチェックの3問目と6問目で戸惑う

厚労省推薦の職業性ストレス簡易調査票を使用した場合の3問目の質問は,
「一生懸命働かなければならない」
となっていますが,これにどう答えたらいいのか,私なら相当迷うと思います。

『これはどのように答えたらいいんだ?自分は仕事に真面目に取り組んで一生懸命働いているから「そうだ」と答えたいが,そうするとストレスが高いことになってしまうのか?かと言って「ちがう」と答えたくもないし。うーん…。」

第3問になんとか答えたとして,さらに第6問で
「勤務時間中はいつも仕事のことを考えていなければならない」という質問が来ます。
私なら,『たしかに,仕事中に「次の日曜は何しようかな」とか「留守番させているポチは元気かな」と考えることもある。しかし,うちの就業規則には勤務時間中の職務専念義務が書かれている。「ちがう」と答えたら就業規則違反になっちゃうから,「まあそうだ」くらいで答えるべきなのか?』と迷うと思います。

 そうは言っても,大きな傾向は把握できる

上記の質問項目ですが,「一生懸命働かなければならない」,「勤務時間中はいつも仕事のことを考えていなければならない」にYESと答えるとストレスが高いということになってしまいます。このような質問が入っているため,一部からは職業性ストレス簡易調査票に対する批判の声も聞こえますが,そうは言っても,その他の項目や回答人数を増やすことによって,集団の大まかな傾向はつかめると思われます。

私は以前,顧問先の企業様において,ストレスチェック後の集団分析結果を検討する社内会議に経営層・管理監督者の方々と共に参加させて頂いたことがありますが,結果が良くない職場に関しては,皆さん「やっぱりなあ。あそこは○○だからなあ。」とそれなりに納得されており,「なぜここが高いんだ?」というのはあまりありませんでした。このように,なぜ結果が悪いのか細かい部分まではわかりませんが,大まかな傾向はある程度正しく把握できるものと思われました。

細かい部分は職場のディスカッションで話し合う

集団分析のみでは大まかな傾向しかわかりません。よって,分析結果とにらめっこしても,どのように職場改善すれば良いのかは全く見えてきません。

大切なのは,大まかな分析結果をきっかけにして,その部署でディスカッションし具体的な課題と解決策を皆で話し合うことだと思います。それによって初めてストレスチェックを行った本当の意味が生まれます。

【ブログ】人事労務イベント”HRカンファレンス”に行ってきました!

2015-11-18

弊社サービスのご利用を検討頂いている企業様にプレゼン・ヒアリングを行うために東京出張した帰りに,大手町で開催されているHRカンファレンス2015-秋-に参加してきました。

 弊社の拠点は大阪ですが,東京はこのようなカンファレンス・セミナー・勉強会が圧倒的に多く開催されており,本当に羨ましい限りです。新しい情報・文化の中心は圧倒的に東京なんだなぁと感じます。今週末は大阪府知事・市長のダブル選挙ですが,どのような結果になるにしろ大阪出身の私としては,東京に負けないくらい大阪も発展して欲しいと思います。

ただ,東京駅には「そうだ京都,行こう。」の京都の美しい紅葉のポスターがたくさん貼られており,関東の人の京都への憧れを垣間見るようで,少し誇らしかったです。(私は中高の6年間は京都で過ごしましたので,京都に対して若干の地元感を勝手に感じています。京都の人には,それくらいで感じるなと怒られそうですが…)

ストレスチェック制度の義務化への注目度

さて,HRカンファレンスは,その名の通りHR(human resource management:人事労務管理)に携わる人事労務担当者の方が集まるカンファレンスですが,ストレスチェックに関する講演が4つも開催されており,注目度の高さが窺えました。

また,キャリアや組織活性化についての貴重な講演を聴けて,大変勉強になりました。

その中での気付きをいくつかご紹介します。

 

①管理職のプレイングマネージャー化とメンタルヘルス不調

ある調査によると,「課長職のうち個人の業績目標を持つ人の割合」つまり,プレイングマネージャーの割合が,1985年には20%未満であったのに,現在では90%以上だそうです。管理職がプレイングマネージャー化すると,部下への目配りが減り,また部下自身も「課長は忙しそうだからなあ」と感じて相談しにくい状況が出来上がります。それが,メンタル不調者が増加する一因にもなっていると考えられます。

それを防ぐには,難しいかもしれませんが上司が部下に積極的にコミュニケーションをとる,さらには今回のストレスチェック制度の組織分析をきっかけにして,上司・部下一緒になって職場改善の方法を検討する等が考えられます。組織改善のキーマンは管理職です。

 

②職場改善は離職率低下につながる

ストレスチェックで組織診断をしたのみでは,当たり前ですが何ら効果はありません。診断結果に基づいて,実際に改善するための方策に着手して初めて効果が生じるのです。

ある企業において,次世代リーダーに「職場改善」,「部下との関係性構築力」を上げるための研修(単発ではなく,複数回の本格的なもの)を行ったところ,離職率が20%から10%に改善されたというデータがありました。

今後の少子高齢化で労働人口が減少する時代に,優秀な人材を確保することは企業にとって何より重要であり,採用したのに数年で辞められると人材育成にかけた費用がパーになってしまいます。今回のストレスチェックを「義務だから仕方なくやる」のではなく,「人材を定着させるために,働きやすい職場を構築するためのきっかけにする」という意識で捉えた方が,企業にとってストレスチェックをより有益に活かすことができると思われます。

 

今後も東京での仕事を増やしていき,どんどん勉強会にも参加して仕事に役立つ知識を増やしていきたいと思います。是非この記事をご覧になった東京の企業様は,弊社にお仕事を下さい!お待ちしております!

【お知らせ】「産業医変更,選任」に関するお問合せについて

2015-11-13

ストレスチェックの開始に合わせて,産業医を変えたい,または現在の産業医の先生に上乗せして弊社の顧問医サービスを利用したいとのお問合せを多数頂いております。その中で,企業様が産業医に対して持つ不満の共通点が見えてきました。

コミュニケーションがうまくいかない

 「コミュニケーションが取れない。連絡自体取れない。」

「こちらの要望を聞いてくれない」

「従業員面談後,報告書作成をお願いしても断られるか,提出が非常に遅い」

「というか,報告書って書いてくれるものなんですか?何も書いてくれないから,仕方なく担当者が面談に同席して,メモを取って社内での証拠・面談記録にしているんですけど…。」

→これらは,産業医うんぬん以前に,社会人としてどうかという問題です。
自分も医者なので大きなことは言えませんが,医者というのは病院という閉鎖的空間でしか働いたことがなく,患者さんから病気を治して欲しいとお願いされる立場で基本的には過ごしているため,サービス業という感覚が希薄です。
産業医業務を行う上でも,企業内にその感覚を持ち込んでしまうため,企業からの不満が生じがちです。

私は大企業の専属産業医として企業内で働いた経験もあり,企業の方々が何を求めているかをある程度理解しているつもりです。
弊社では,何よりも企業様とのコミュニケーション・意思疎通を重視し,かつ,報連相を迅速適確に行うことを心がけております。上記の例で言えば,面談報告書は可能な限り当日,遅くとも翌日までには提出することをお約束します。
また,ご契約頂いた企業様には,携帯電話番号をお伝えし,可能な限り土日祝日,時間帯にかかわらずご相談にのらせて頂いています。「会社で自殺未遂をした社員がいるが,この後の対応はどうすれば良いか」等の緊急時にも相談対応可能です。

ストレスチェック対応を断られた,メンタルヘルス不調者への対応ができない

「ストレスチェックに関わりたくないと言われてしまった」

「高ストレス者への医師面接はしたくないと言われてしまった」

「メンタル不調者への対応に不満がある」

「お願いしても,主治医との連携を取ってくれない」

→確かに,産業医活動の中でメンタルヘルス問題が占める割合は年々増加しており,精神科が専門ではない先生にとっては対応が大変だろうと思います。しかも場合によっては,症状と仕事が関連している場合があり,法的リスクマネジメントの視点も踏まえた適切な対応を取るのは,至難の業でしょう。

そのような場合には,現在居られる産業医の先生に加えて,弊社の顧問医サービスを是非ご利用下さい。基本サービス内に,電話・メールでの相談が含まれており,人事担当者・上司の方がメンタル不調者にどのように対応すればよいのかの助言をさせて頂きます。また,実際に従業員との面談が必要になった時のみ,別途費用はかかりますがスポット面談サービスをご利用頂けますので,御社の予算に応じた対応が可能です。

【コラム】ストレスチェックの実施者になることは産業医にとってリスクなのか①

2015-11-13

(この記事は,主に産業医の先生向けの記事となっております。企業の労務担当者の方には,直接的には役に立たないかもしれませんが,興味がおありであればご一読頂ければ幸いです。また,タイトルとおり「リスク」について書いていますが,私の個人的意見に過ぎませんので,詳しくは弁護士の先生などにお尋ね下さい。)

2016年7月20日追記)ストレスチェックではありませんが、産業医が訴えられるケースが新たに生じました。こちらの記事に詳細を記載していますので併せてご覧ください。

 

実施者になりたがらない産業医が多い

ストレスチェックに関する学会等で,厚労省の担当者や弁護士が演者の講演のあとの質疑応答には,たいてい次のような趣旨の質問が出ます。

「高ストレス者が医師面接を申し出ず,その後自殺してしまった場合,実施者をしている産業医が責任を問われることはあるのか?」

 その場で厚労省の役人が「産業医の責任はありませんよ」と断定的に言ってくれるはずはありませんので,うやむやな回答になり,それがさらに産業医の不安をかきたてる状況になっています。結局責任があるかどうかは,訴訟で裁判官が判断することですので,訴訟になってみないと分らないというのが正直なところです。特にストレスチェックに関しては,過去に蓄積された判例がゼロですので,弁護士の先生といえども100%確定的なことは言えないのでしょう。

 そのような状況ですので,リスクに敏感な先生ほど(単にめんどうな先生もごく一部おられると思いますが),ストレスチェックの実施者になることを嫌がります。それは上記のような状況を考えると,ある意味仕方がないことなのかもしれません。

 

厚生労働省の態度

さらにそのようなリスク回避の傾向を助長しているのは,厚労省の態度です。

労働安全衛生法および省令(←これらは法的拘束力あり)で,ストレスチェックの実施や医師面接を産業医の職務と規定しているにもかかわらず,厚労省は法的拘束力のない指針(正確には指針は一定の法的拘束力あり),実施マニュアル,通達などにより,「産業医がストレスチェックにかかわることが望ましい」と,「望ましい」に格下げしているのです。

「望ましい」であれば,産業医が嫌ならやらなくても良いとも解釈できるため(むしろそのような解釈の方が自然),ストレスチェックに関わらない産業医が多発するのです。

 産業医活動の実状(名義貸しやほとんど企業の衛生管理に携わっていない産業医が数多くいる)から,厚労省も苦渋の判断でそのような表現にせざるをえなかったのは理解できます。しかし,国民の代表機関である国会が定めた安衛法の内容を,「望ましい」に格下げして緩く解釈するのであれば,上記の「産業医活動の実状」の改善を急ピッチで進めるべきであると,私は思います。

 (産業医が抱えるリスクについては,その②へ続きます。)

【コラム】ストレスチェックや健診と労働者のプライバシー

2015-11-12

ストレスチェック制度におけるプライバシー

ストレスチェック制度では,労働者がストレスチェックにどのように答えたかについてのプライバシーは,以下の方法により固く守られています。

 ①ストレスチェックを受けるか受けないか自体が,労働者の自由。(なるべく受けてもらうよう企業等は勧奨しても良いが,強制は不可。)

②ストレスチェックの個人結果は,本人の同意がある場合以外は企業に提供されない。

③集団分析をするには集団の規模を10人以上に設定し,個人が特定されないようにしなければならない。

④人事権をもっている人は,ストレスチェックの事務すら担当できない。

 また,ストレスチェックの結果が悪い場合でも,企業はそれをもって労働者を不利に扱ってはいけないことが法律で決められています。

 このように,ストレスチェック制度においては,非常に強力に労働者のプライバシーが保護されています。ストレスの具合や心の調子といった個人のセンシティブ情報であるため,立法の過程で厚く保護されました。

 

健康診断結果とプライバシー

皆さんは少なくとも年に1回,会社の費用負担で健康診断を受けていると思います。それはストレスチェック制度と同じく,労働安全衛生法で企業に実施が義務付けられているからです。

しかし,ストレスチェックとは違い,健診結果について企業に報告するかどうかの労働者の自由は一切ありません。むしろ,労働者に健診を受ける法的義務を課しており,健診データは本人の意思に関わらず病院などの検査機関から企業側に直接提供され,そこから企業が労働者に対して結果をお知らせする仕組み(実務上は、検査機関から直接労働者へ届くこともある)になっています。この違いは何なのでしょうか?

 個人情報・センシティブ情報ではないからでしょうか?個人的な意見になりますが,健診結果もかなりのセンシティブ情報だと思います。個人の血液データと既往歴(過去にどのような病気になったか)を毎年企業が全て収集して把握するわけですから,実は結構すごいことなんじゃないかと思います。職場で感染症が広がるのを予防するため結核等の検査をするのなら分りますが,なぜ血糖値や肝機能などの生活習慣病系の項目までチェックされるのでしょうか?

ストレスチェックは,結果が良くなるように自分で調整する(良いように答える)ことが可能ですが,血液検査ではそうはいきません。血液データや,過去の病気の経歴を見て,企業が労働者にとって不利益に扱うことが,100%絶対にあり得ないとは言い切れないと思います(幸い弊社の顧問先で,そのような不利益取り扱いを経験した例はありませんが…)。

また、個人の自立や自己管理・自己責任が重視される国(アメリカ等)では、このように自分の血液データを強制的に会社に収集されるのは、かなり違和感のあることであろうと思います。

実際、毎年健康診断を従業員へ受けさせる義務があり、企業自身がその結果を収集して見ることができるのは、私の知る限り、先進国の中では日本だけだと思われます。

 

プライバシー保護の程度の違いはどこからくるのか

この違いはどこから生じるのか?結局は,「立法化された時代背景」が影響しているのだと思います。

終身雇用が当たり前の時代で,会社と労働者が一生のお付き合い,家族・親子の関係であれば,親(会社)が子ども(労働者)のために健診を実施して採血データを収集し,子どもの保護・健康管理のために利用するのは当然であり,子どももそれに何ら違和感を感じなかったのでしょう。
「お父ちゃんがええようにしてくれる、守ってくれる。血液データや過去の病気のデータを,悪く扱うはずがないんや!」と信じているのです。

しかし現代では,企業風土にもよりますが,家族と同様の忠誠心を企業に対して一生奉げることを誓っている労働者は少ないのではないでしょうか?労働者側も自分のプライバシーの権利を意識するようになり,ストレスチェック制度の立法過程に取り込まれたのだと思います。

また,健康診断結果については確かにプライバシー情報ですが,国としても毎年それらの生活習慣病系項目を含めてチェックし,企業内での保健指導や早期の病院受診につなげて医療費を抑制したいという目論見があると思いますので,今後その部分が法改正され、健診内容から生活習慣病系項目が削除されることは余程のことが無い限りないでしょう。

 

まとめ:時代にあった適切な労務管理をしましょう

労使関係は時代により変化します。現代では,労働者側も自己の権利を主張するようになり,かつてのように「黙って親(会社)についてこい」と考えてルール無視の労務管理をするのは非常に危険な時代になっていると思います。

弊社では,そのような時代の流れも汲んだメンタルヘルス対策・産業医サービスをご提供できるよう努めています。

【労働判例】ストレスチェック制度と東芝事件

2015-11-10

(はじめに:「精神科産業医から見た労働判例」のコーナーでは,労働判例に対する私の雑感を書いていきます。私は法曹ではありませんので法・判例の解釈に誤りがあるかもしれませんし,裁判所の訴訟記録は閲覧しておらず判決文のみからの感想であり,また,ブログという字数制限のある中でかなり省略して書いています。それらの点を考慮してご覧いただければ幸いです。)

東芝事件とストレスチェックの関連性

最近,企業の人事担当者の方と話の中で,東芝事件(最判平26.3.24)とストレスチェック制度を関連付けた話題になることがあります。東芝事件の判旨である「使用者は,必ずしも労働者側からの申告がなくても,その労働環境等に十分な注意を払うべき安全配慮義務を負っている」ということと,ストレスチェック制度における「高ストレス者が医師面接を希望せずに,会社として何も知ることができず対応できなかった場合の会社の責任・安全配慮義務違反」を関連付けて心配されている話をよく耳にします。

 

東芝事件を拡大解釈して,「会社は,従業員の申告がなくても不調を見抜く必要がある。見抜けずにうつ病を発症させてしまったら,どんな場合でも企業の安全配慮義務違反になる」と考えておられる方もいらっしゃいますが,それは間違いです。
判例を正しく理解するには,判決文の中の1文だけを抜き出して解釈するのではなく,実際にどのような背景があってその1文を裁判官が書くに至ったのかを見なければなりません。

安全配慮義務と自己申告

東芝事件を見てみると,確かに労働者は自分が通院していることを会社に自己申告していませんが,体調不良を会社に訴えており,10日以上体調不良のため欠勤しており,上司に対してそれまでしたことのない業務軽減の申し出を行っているのです。プロジェクトリーダーというかなりストレスのかかる仕事をさせているのは会社としても当然把握している訳ですから,上記のような状態が見られた場合,上司・人事・産業医が連携して迅速に適切な対応を取らなければなりません。通院を申告していないことが労働者の過失かどうかの以前に,企業側の管理体制・対応として不十分であったと言わざるを得ないのではないかと正直感じます。本人が連続欠勤したのが5月末で,会社が実際に業務を軽減したのが8月22日ですので,対応としては遅いと言わざるを得ません。(ただ,平成13年に生じた事件ですので,その当時そこまでしっかりしたメンタルヘルス管理体制を構築できている企業は大企業と言えどもあまりなかったというのも実状か知れません。)

企業が行うべき義務

ストレスチェック制度において「高ストレス者が面接希望しない場合の,安全配慮義務」を考える以前に,ラインケアや産業医との連携体制をしっかり整えること,そして,長時間労働をしている等ストレスが高そうな人に対しては,ストレスチェック制度とは別に,予防的に産業医面談を受けさせてしっかりケアすることの方が重要であろうと思います。

ストレスチェック実施者・実施代表者の無料対応について

2015-11-08

企業様から「ストレスチェックの実施者・実施代表者になってもらえるか」というお問合せを多数頂いております。
既に産業医の先生がいらっしゃってもリスクの観点から実施者になることを断られてしまった場合や,そもそも従業員50人未満の支店で産業医がいない場合にどうすれば良いのか悩まれ,弊社までご相談を頂いております。
また、医師会の報酬表にもあるとおり、実施者を受けてもらえるとしても高額の別料金が発生するため、躊躇される企業様もあるようです。

 

弊社では

『どこか一つの事業場(≒拠点,支店)』で産業医サービスをご契約頂いた場合,その事業場については当然実施者をお受けし,さらに,その事業場以外のその他の事業場』におけるストレスチェックの実施者業務も追加料金なしで承っております

例えば,東京本社で産業医としてご契約して頂いた場合,その他の支店(大阪支店,名古屋支店,福岡支店など)の実施者も企業様のご依頼があれば無料で承るということです。但し,厚生労働省の指針に沿うように,なるべく以下の条件を満たして頂くようお願いしております。

 

①『どこか一つの事業場』は可能であれば,本社又はそれに準ずる拠点にして頂くこと。(②を行いやすくするためです。可能であればで構いません。)

②会社全体のメンタルヘルス管理体制等に対する助言をさせて頂くこと。

③『その他の事業場』に既に産業医がおられる場合は,その産業医と必要に応じて連携させて頂くこと。産業医がいない小規模事業場の場合は,そこの健康管理に関する責任者(支店長等)と必要に応じて連携させて頂くこと。

 

実施者が見つからない,または外部の業者に実施者を丸投げすることには不安・リスクを感じる企業様,高ストレス者への医師面接も併せて検討されている企業様は、是非一度弊社までご相談下さい
50人未満の事業場や,50人以上でも産業医が実施者になるのが難しい事業場に対しても,弊社の精神科専門産業医が責任を持って実施者をお受け致します。

労務担当者なら知っておきたい!ストレスチェック制度に関する規程・書式例の問題点

2015-11-08

もうすぐ12月になり,ストレスチェック制度が実際に開始されますが,皆様の会社では準備は万端でしょうか?

社内体制を整える上では,衛生委員会で審議すべき規程・書式などが多数存在します。それらを一から作るのは大変ですので,厚労省は「ストレスチェック制度実施規程(例)」等を公表してくれています。さすがこの辺りは「国民本位の公共サービス」を提供してくれる厚労省ですが,逆に丁寧すぎて,そのまま導入すると場合によっては企業にとって困った事態になりかねないことはご存知でしょうか?その代表的なものを2つ紹介します。

①「ストレスチェック制度実施規程(例)」(ひな形)に関して

厚労省も文頭で強調する通り,この規定はあくまで例であり,企業の実態に応じて修正が必要です。例えば,規程例の2条ではストレスチェックの対象者となる労働者を定めていますが,「パート・アルバイト」「派遣労働者」も対象に含めています。これらの人は,本来であればストレスチェックの対象外になる可能性もある人々(詳しくは厚労省ストレスチェックQ&A参照)です。
コスト削減等のためこれらの人々をストレスチェック対象者に入れないでおこうと考える企業が,何も考えず厚労省の規定例をそのまま取り入れると矛盾が生じる状態になります。

 

②実施マニュアルの医師意見書に関して

厚労省ストレスチェック制度実施マニュアルの84ページには,高ストレス者に対する面接を行った医師が企業に意見をする際の意見書のフォーマットが載っています。その中に『ストレスと業務の関連性』を記入する欄があります。
事前に上司や人事労務担当者から面接医師に職場の事情を詳しく伝えていれば別ですが,正直申し上げて,この意見書は労働者側からの話をメインに聞いて作成するものです。労働者側の一方的な話に基づいて,医師から「ストレスと業務の関連性が強く疑われる」「就業場所の変更が必要」との意見書が出てきたら,企業側としては困ってしまいませんか?
『ストレスと業務の関連性』などというものは,労使の両方から事情を詳細に聴取して,客観的な立場にある人間(労災保険の審査官等)が判断すべきものなのです。ですので,『ストレスと業務の関連性』などは面接医師が軽々しく判定して意見書という正式文書に残すべき事項ではないと考え,弊社の顧問先ではこの意見書のフォーマットは利用しません。

12月2日追記)厚労省が新たに発表した医師意見書からは,「ストレスと業務の関連性」の項は削除されました。厚労省もさすがにまずいと気付いたのでしょう。

 

厚労省は非常に丁寧な仕事をしてくれていますが,何も考えずに規程例等をそのまま取り入れるのは危険です。産業医や顧問弁護士・社労士の意見なども参考にしながら,御社の実態に合うよう規程を修正しましょう。

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